いままでのお礼をしてやろうと、狩人は山爺諸共山婆の胴体を撃ち抜いた。山爺の服の裾から白い椿と燻製の魚、そして小さな焼酎の瓶が落ちた。
悲鳴を上げて倒れ込む二人を、家から出てきた村人たちは一斉に取り囲み、家の中にあったありとあらゆる道具で叩きつけた。
朝になるまでその「復讐」を続けていると、そこに山爺山婆の面影はおろか黒と赤のどろどろしたもの以外なにも残っていなかったらしい。その様子は、絵にも残されている。
その後、村は活気を取り戻し、今では200人程が住んでいる。
そして、山爺山婆の家はというと、撤去され、「供養してやろう」という寺の住職によって、それぞれの家があったところには小さな祠が建てられている。山爺が住んでいたところには白い椿が、山婆の住んでいたところには、茶色の焼酎の小瓶と燻製の川魚が、毎年供えられている。
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