道はいつの間にか緩やかな下り坂になっていた。
もう一度バックミラーを見る。
やはり暗闇だった。
……
※※※※※※※※※※
カン、カン、カン、カン、カン……
しばらくすると、警笛音が聞こえてきた。
前方にチカチカと左右に赤く輝くサインが見えてきている。
どうやら踏切に近づいているようだ。
俺はスピードを落として、閉じられた遮断機の前でゆっくり停止する。
ハンドルに顔を臥せ、再びホッとため息をつくと、再びオーディオのボリュームを上げた。
すぐに心地好い音楽が車内を満たしてくれる。
それからしばらく音の快楽に浸りながら、ぼんやりと閉じた遮断機を眺めている時だ。
♪きーみーがあああ、よおおおはー……
一気に心拍数がマックスになる。
あわててバックミラーに目をやった。
嘘だろ、、、
あの黒い悪夢が近づき、また後方で停まる。
やがて電車の近づく音が聞こえてきた。
断続的に警笛を鳴らしながら。
ガタン、ガタン、ガタン……
ガタン、ガタン、ガタン……
この話は怖かったですか?
怖いに投票する 22票
























※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。