遠くまで見ると誰かがいた
Aだった
こっちを向いて突っ立っている
なんでこんなところにいるんだ?
俺はAに近づいて行った
「おい。なんだよ。こんな夜中にこんなところに呼び出してさ」
俺は尋ねたが、何も言わない
Aはただ突っ立っている
表情は無表情だ
「おい。何か言えよ。もしかして、何年前も前に死んだっていう、修学旅行生の真似でもしてるのか?」
そう言うとそこで初めてAに変化があった
やつは笑みを浮かべたんだ
満面の笑みだった
俺はそこでおかしいと気付いた
笑い方がAとはまったく違っていたんだ
Aはこんな笑い方しない
こいつはホントにAなのか?
「おい! お前はいったい・・・」
俺はAにさらに近づこうとした
その時
「おい! 何をやっている!」
後ろで声がした
振り返ると先生がいた
先生がこちらに走ってきて俺を乱暴に捕まえた
「何やっているんだ! 危ないだろうが!」
「いや、俺はAのところに行こうと・・・」
と、俺はAの方を向いたが、そこにAはいなかった
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