まあ、話すのよりかは一刻も早くこの旅館を後にしたい気持ちが強かったので
精算を済ませそのまま帰ろうとした。
帰り際、女将が封筒を持ってきて、これでその…みたいな話をしてこようとしたので、実害はないので大丈夫と断った。そのまま俺は車に乗って帰ることにした。
一体あの気持ち悪い奴はなんだったのだろう。
結局分からずじまいだったが、山の麓まで着くまえに、弟の口から、「おーーーーーーーー」と
明け方聞いた電話の音が聞こえてきた。
急ブレーキを踏んで俺は弟の方を見た。
特に何も異変のない様に見えたが俺は絶句した。
後部座席の奥の窓に映ったのは、坂を登ったとこでピョンピョンと飛び跳ねるあの黒の物体だった。
俺は猛アクセルを飛ばし、帰りへと向かった。
以降は子供達に異変はないし、アレを見ることもなかった。だが一つ気になっていることがある。
受付で女将が渡そうとしたのはお金ではなく、お守りとかお札だったのではないか、と。
もしそうだとしたら、またアレに遭遇してしまうかも知れない、そう思うと背筋がゾッとする。
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途中まで情景が浮かんでめちゃくちゃ怖かったけど最後の「後部座席の奥の窓に映ったのは、坂を登ったとこでピョンピョンと飛び跳ねるあの黒の物体だった。」の部分がどうしてもどういう状況かわからなかった…
長女と次男⇐この書き方だと、間に長男がいる3人兄弟では