何故だかわからない不安な気持ちに苛まれながらひたすらに目を瞑り朝になるのを待った。
目が覚めた頃、携帯を見たら明け方4時だった。
子供2人は寝ていたが、俺はさっきの事が気になり、また窓へ向かった。
カーテンをそっと開け、下を見たがさっきの光景はなく、薄暗い外の景色だった。
安心した俺は布団に戻り、もう一度寝ようとしたその時、電話が鳴った。おそらく受付からだろう。非常識とは感じなかった。先ほどあれだけ必死に訴えていたからだ。
受話器を手に取り電話に出た。
しかし、何も聞こえない。
いや、無音という音が聞こえる。
誰かが受話器を手に取り耳に当て、何も声を発していない絵面が瞬時に浮かぶ。
もしもし、と3回目の応答をした時
「おーーーーーーーーーーーー」
と野太く低い男とも女とも取れない声が聞こえた。
咄嗟に俺は受話器を戻した。ガチャン、と。
幸い子供2人は寝たままだ。
早朝にこの宿を出よう。
きっと夜中に見たアレに違いない。
今すぐにでもこの宿を出たいのだが
出口や受付であの得体の知れない物と鉢合わせは絶対にしたくない。
俺は子供2人を抱きかかえる様にして
朝が来るのを待った。もう眠ることはできない。
2.3時間経っただろうか。気づけば俺も少し寝ていた様だ。
子供達も起き始め、帰りの身支度を済ませる。
リゾートホテルに来ていればよかったものの、客もまばらな旅館だからすごく静かで不安に拍車をかける。
部屋を出るころには時計は7時半を回っていた。
この時間なら受付に誰かはいるだろうし、朝食会場にだって客はいるだろう。
受付についてから俺は早々に帰りの手続きを済ませようとした。その時だった。
受付の女将っぽい人が俺を見るなりハッとした様な顔をして、受付のさらに奥の部屋にいって、また戻ってきた。
昨日は大変ご迷惑をおかけいたしました。
代金は結構ですのでお帰りくださいと、頭を深々と下げている。
女将は昨日俺が見たやつを知っているのか?
俺は咄嗟に昨日起きた話をしようとした。
しかし、女将は申し訳ございませんと謝るのみで何も教えてくれることはなかった。
ただ、俺を見て謝っていたのでおそらく俺以外にもこの存在を知っているんだろうと思った。























途中まで情景が浮かんでめちゃくちゃ怖かったけど最後の「後部座席の奥の窓に映ったのは、坂を登ったとこでピョンピョンと飛び跳ねるあの黒の物体だった。」の部分がどうしてもどういう状況かわからなかった…
長女と次男⇐この書き方だと、間に長男がいる3人兄弟では