4年前の話になります。
当時は独り身で、地方でワンルームマンションの部屋借りて住んでいた頃、怖い体験をしました。
住んでいたそのワンルームマンションは、私と同じような独身のサラリーマンが多く、そういった点からか、ゴミの捨て方が他のマンションに比べると割と適当だったように思います。
可燃ゴミは、曜日関係なく出されていたり、
本や段ボールが紐で縛られていなかったりと、マナーはあまり良い方ではありませんでした。
かくいう私も、指定日以外にコソッと夜中に出したり、ルールをしっかり守っているというわけではありませんでした。
そんなある日です。
その日は指定日の朝に、出勤と同時にゴミを捨てに行こうとゴミステーションに向かいました。
スライドドアを開けてゴミを入れる倉庫型の
タイプを想像していただければ大丈夫です。
そのゴミステーションの前に人が立っていました。見ると、60歳前後に見えるやや歳をとったおばさん、そんな感じの人が、ゴミ袋を持った私を見ておりました。少し怒っているのか、睨まれているようにも見えました。気になったのはその女性の口から、「ンチッ、ヌチッ」と舌打ちのような舌を歯で舐めるようなあまり気持ち良くない音が聞こえた事です。
私は、少々怖がりなところがあったので、その女性に会釈をした後、ささっとゴミ捨てを終えてその場を後にしました。挨拶した時も、ゴミ捨てをした時も女性の様子は変わらず、こちらを見ながら、「ンチッヌチッ」と音を鳴らしていました。
特に何かをされるわけでもなかったのですが、少し不気味に感じ、また次捨てるときにいたら嫌だなと思っておりました。
最初のうちはそんなに見ることはなかったのですが、気づけば指定日の朝には、ほぼ見るようになったので、おそらくマンションの関係者が苦情を聞いてマナーチェックでもしているのかなと思いました。ただのマナーチェックでマンションの関係者なら別に構わないのですが、どうしてもあの口から聞こえる舌打ちがどうも気味が悪く、指定日の朝に出す事をためらいました。
その女性が指定日の朝に常駐するようになった頃、ゴミ捨てに行ったとき、同年代くらいの女性もちょうどゴミを捨てようとしていました。
この人も出勤ついでかな、と思い軽く挨拶をしました。私がゴミを捨てた後、少し離れたところで私を待っていたみたいでその人と話をする機会がありました。
その女性は開口一番、「あのオバさんめちゃくちゃキモいですよね、舌打ちめっちゃしてきて超怖いです、やばくないですか?」と割と大きめな声で言ったので私は思わず、聞こえる聞こえると抑えるポーズを取りました。
やはり私だけではなかったのか、困ったものだなと思っていた時、後ろから、
「おい!ちゃんと捨てろ!時間守れ!」
と怒鳴り声が聞こえてきました。
2人で一斉に振り返るとあの女性の方が倉庫前から私とOLさんに怒っておりました。
うわっ!と2人で驚き、逃げるようにその場を去りました。いくら管理者とはいえそんな厳しく怒る事ないだろうに…私達はそう感じながらも、マナーはしっかり守り、なるべくあの方を怒らせないようにしようという話になりました。
それから2週間ほど経った日のことです。
3泊4日の出張が急遽決まり、そのまま実家に帰省しようと思っていた時にふと、ゴミ捨ての事を思い出しました。
まあまあ溜まってきたし、このまま長い事部屋に置いておくのも虫が湧くの嫌だから捨ててしまいたいな…
しかし、指定日以外に出したらあの人に怒られることは間違いないだろうし…
そう考えた私は、出張前夜の遅い時間にゴミステーションに入れさせてもらおうと考えました。
指定日は無視してしまいますが、夜中なので怖いおばさんもいなければ、ゴミも捨てられるので。
その日、23時ごろだったと思います。
ゴミステーションへと向かいました。
やはり、その時間は誰もいなく、ゴミも中に入れられそうです。
そう思った私は、スライドドアを開けて中に投げるように、まとめたゴミを入れました。

























変態頭オブザcrazy