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心霊

やまぜきさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

天井裏に潜むもの
短編 2025/06/17 06:56 5,790view
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夢だった一戸建てに、ついに引っ越すことができた。
築年数は古いが、リノベーション済みで見た目は綺麗。何より、娘が4歳になり手狭になったアパートを出られたのは嬉しかった。

中古とはいえ庭付き。妻と相談して無理してローンを組んだ家だった。

気がかりがあるとすれば、不動産屋が前の住人の話をどこか曖昧に濁したことくらいだ。
「まぁ、ちょっと事情があって…でも今はもう、大丈夫ですから」
それ以上突っ込むのも野暮かと思い、深く聞かなかった。

ともかく新しい生活は穏やかに始まった。
…最初の1週間までは。

ある夜、寝ていると天井の上から微かな物音が聞こえた。

擦るような、引っかくような、不規則な音。

ネズミか何かかと思い、翌朝天袋を開けて確認したが何もいなかった。
妻に聞いても「そんな音、私には聞こえないけど?」と首をかしげるばかり。

その後も夜になると同じ音が聞こえるようになった。

ある休みの日の朝、目を覚ますと隣で寝ていた娘の姿がない。
リビングにもいない。ふと、2回の奥の部屋から話し声が聞こえた。

そっと近づくと、娘が押し入れの前に座り、開け放たれた天袋の暗がりに向かって話しかけていた。

俺は娘に誰と話しているのか聞いてみる。
すると無邪気な笑顔で

「おとこのこだよ。いつもそこにいるんだよ。」と答えた。

一瞬、背筋が凍った。

気味が悪かったが、怖がらせないように努めて笑顔を作り、朝ごはんを食べに行こうと誘った。
ジュースの話を出すと、娘は素直についてきた。

娘が部屋を出たあと、天井裏を確認するがやはり誰もいなかった。

朝食を食べ終え、リビングで娘が遊んでいるとき、妻に先程の話をした。
妻も「なにそれ…」と表情を強ばらせたが、恐らくイマジナリーフレンドなのではないかと結論付いた。ママ友の間でも、似たようなことを言う子がいたらしい。

しかし日に日に娘はその部屋に入り浸るようになり、ある日押し入れによじ登り、天井裏に行こうとするところを目撃した。

俺はすぐさま娘を抱えて引き剥がした。
娘はポカンとした顔でただ一言「よばれたの」とだけ言った。
嫌な胸騒ぎがして、天袋を閉めようとした瞬間、バサッと何かが落ちてきた。

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コメント(3)
  • お祓いとかしたのかな。その後が気になる。

    2025/06/17/07:21
  • 日記?アルバム?まあ、感謝しな

    2025/06/17/09:45
  • これは怖かった!

    2025/06/19/04:51

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