カメラは父親が回しているらしく、「今日は○○(ノイズで聞き取れない)の誕生日だなー」などと笑い声混じりに話しかけている。
母親は台所で料理をしていて、テーブルにはご馳走やプレゼントが並んでいた。
どこにでもある、幸せそうなホームビデオ。
ただ、ビデオの状態が劣化しすぎているのか、全体的に画面が波打ち、会話も断続的にしか聞き取れない。
低く唸るような「ヴゥゥゥゥ……」というノイズがずっと鳴っていた。
しばらく再生していたが、特に面白い内容でもなかったので、再生を止めようと手を伸ばした――
そのときだった。
3人の家族が「いただきます」と手を合わせた瞬間、映像が突然ブツッと途切れ、真っ暗な画面になった。
5秒ほど、無音のまま暗転した状態が続いた後
突如、先ほどの低音ノイズが耳を裂くような爆音で鳴り響いた。
あまりの音量に飛び上がり、慌ててボリュームを下げようとリモコンを連打したが、反応しない。
ボタンを押しても、映像も音もまったく制御できない。
不気味なノイズ音はさらに増幅していく。
そして映像が切り替わった。
薄暗い部屋の中、先ほどの家族3人が正座をしている。
最初はじっと無表情でカメラを見つめているだけだった。
その後、いきなり首だけを異常な速度で左右に振り乱し始めた。
その動きは常軌を逸しており、首の骨が折れてもおかしくないほどの角度とスピード。
だが、それ以外の身体は微動だにしない。
まるで、止まった映像に首の動きだけがコラージュされたような不自然さだった。
そのまましばらく画面がぐちゃぐちゃに揺れ、ノイズ音だけが耳を焼くように鳴り響き続けた。
続いて、暗い台所が映し出される。
家族3人が両腕をあげて、身体をぐにゃぐにゃと関節を曲げて揺れている。
それはもはや人間の動きではなく、水中で誰かに操られているかのような不気味さ。
すると、突然画面いっぱいに父親の顔が映る。
口元はにやけているのに、目だけが異常に見開かれており、焦点がどこにも合っていない。
次に母親、そして女の子の顔が順に映る。
母親も同じように笑っているが、表情が貼りつけたような不自然な笑顔で、どこか空っぽだ。
女の子だけが違っていた。
彼女は、泣いていた。
酷く顔を歪め、声は出ていないが喉を震わせ、絶叫する寸前のような形相で必死に何かを訴えている。
「助けて」とでも言っているかのように。
ノイズ音はそれでも止まない。
























宗教に騙されて、不幸になった信者唸ってたのかな?
両親が信者で、娘が違うから助けを求めてたのか?
こっわ…だけどたからもの2の内容もちょっと気になる…