その行動は勇ましく英雄的であり、社会は彼ら再殺隊を英雄視した。
そして、ゾンビ撲滅による惨劇は、次の段階に進行する。
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気付いているだろうか?
政府が駆逐を命じ、再殺隊が滅殺を行っているゾンビは、確かに死体であり、生きる屍であるが、
実際には、ただの老人とほとんど違わないのだという事を。
異なるのは、生きているか、死んでいるか、だけであり、
身体能力も行動も、普通の老人と大差がない事を。
そして何より、彼らは人を襲わない。
人を喰らう事も無い。
フィクションの世界のゾンビとは、全く異なる存在なのだ。
そう。
蘇る老人をゾンビ・怪物と認識した社会は混乱と恐慌に巻き込まれ、正常な判断を鈍らせていたのだ。
そして、無害なお年寄り達を怪物と見做し、撲滅を指示したのだ。
これは、ゾンビの殲滅ではない。
罪なき無害な高齢者の、虐殺なのだ。
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暴走する再殺隊は、新たな指針を打ち出した。
『これからゾンビ化する可能性がある者を駆逐する』
つまり、
ゾンビ化していない、生きている老人の抹殺である。
「どうせ老人は社会の役には立たない」
「社会の役に立たないのなら、殺せばいい」と、政府も再殺隊の指針を支持した。
実際に、高齢者を養う為の社会保障費は莫大である。
ならば、老人がいなくなれば、社会保障費の節約にもなるのだ。
時勢に流される現職総理大臣も再殺隊の新たな行動指針に判を押す。
そう、政府は、国は、社会は、『老人の撲滅』を推奨したのだ。
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ストーリーがめっちゃ面白い!
エグい、リアル、本当に怖いのは人間、そして哀しい。
この人の作品毎回恐すぎる