以降も、全国各地のゾンビ棟での、ゾンビ殲滅作戦は進行する。
だが、どれ程にゾンビ棟を焼却しても、新たゾンビの発生は止まらなかった。
そして、次の惨劇が始まる。
…
政府と再殺隊が行った次の手段は、
見つけ次第、殺す。
つまり、ゾンビ狩りである。
独居老人などが人知れず亡くなり、ゾンビ化するケースは少なくなかった。
隔離を免れた老人は、そのまま自宅に留まり、生前と同じ生活様式をなぞる事もあった。
それらの老人を駆逐する為に、再殺隊はゾンビと思わしき老人がいれば住居に踏み込み、ゾンビを始末した。
また、亡くなった老人が蘇った時に迅速に駆逐できるように、各病院や老人施設に協力を要請し、再殺隊が老人の臨終の瞬間に立ち会った。
そして、医師が臨終を告げ、家族が悲しみに暮れる中、遺体が蘇る兆候があれば、再殺隊はゾンビの頭を撃ち抜いた。
さらに、極少数であったが自分の肉親がゾンビ化した事で再び殺される事を可哀想に思い、自宅で保護し駆逐を免れようとするケースもあった。
だが、警察にも根を張り社会機能そのものを味方に付け、ゾンビ化老人の発見に特化した再殺隊の眼を逃れる事はできず、家族がやてめと叫ぶ中、再殺隊はゾンビの駆逐を実行した。
…
ゾンビの殲滅が続く中、不幸にも未発症の老人が殲滅作戦に巻き込まれるという事案があった。
この報告を受けた再殺隊上層部の判断は、
「緊急的な措置の結果であって、少数の犠牲は仕方がない」
であり、その判断に政府も意を唱える事は無く、この件が問題になる事は無かった。
また、再殺隊の隊員の中には、『老人を殺した』として罪の意識に悩む者もいた。
だが、再殺隊上層部は、
「相手は化け物であり怪物である。気にやむ必要は全く無い!」
と喝を入れた。
さらに、誤って未発症の老人を殺害してしまった隊員に対しても上層部は、
「どうせ年寄りはそのうちにゾンビになるのだ。むしろ、危険を未然に防いだのだ。気にする事は無い」
と、激励した。
…
…
ゾンビ撲滅、そして社会の平穏を強烈なプロパガンダとして掲げた政府と再殺隊を支持する人間は多く、特に再殺隊の存在は徐々に社会でその力を増していった。
『化け物を始末する』
























ストーリーがめっちゃ面白い!
エグい、リアル、本当に怖いのは人間、そして哀しい。
この人の作品毎回恐すぎる