誰も管理していないからか腐りかけて壁が穴だらけになっており、鬱蒼とした木々の間から夕日が差し込んで照らされたその建物は中学生の俺たちを怖気付かせるには十分だった。
最初は静か気味だった健太もびびっていることを悟られたくなかったのか「ヤベーw」「ボロボロじゃんw」などと言って石灯籠を蹴ったりしていた。
しばらく6人で探索をしていたがその間も健太はあっくんの横に行って頭をはたいたり足で砂を蹴ってかけたりしていた。
俺も委員長も「やめろよ!」と言って咎めていたが聞く耳を持たなかった。
30分程するとさすがに雰囲気にも慣れ、探索も飽きたので俺は委員長と本堂の側にあった岩に腰をかけた。
敷地の中央で駄弁っている3人を眺めているとふとあっくんがいないことに気づいた。
「あれ?あっくんは?」
俺がそう言いながらキョロキョロしていると本堂の方から声が聞こえた。
本堂の方に目を向けると、元々賽銭箱があったであろうところにあっくんが立っていた。
「あっくん、なにしてるの?」
委員長がそう呼びかけたがあっくんは本堂の扉の前で直立したまま動かない。
よく見ると口元が動いている。
何かと喋っているように見えた。
俺と委員長の2人は立ち上がり、扉の前に立つあっくんの元まで歩こうと足を踏み出した。
あと5メートル弱程の距離に近づいたとき、あっくんが喋っていることが聞き取れるようになった。
「うん…うん…そう…」
やはり誰かと会話をしている。
不可解に思った俺らは足を止めた。
次の瞬間、あっくんが俺らの方に顔を向け3秒程見つめたあと、また扉の方に向き直した。
その表情は見たこともないような冷たい無表情だった。
「ううん、2人は違う」
低く冷たい声であっくんはそう言った。
よく見ると、扉が50cm程開いていた。
何と喋っているのか、嫌な予感がしながらもそれを確認しようと移動をしようとしたとき。
あっくんが後ろを振り返った。
正確には敷地の中央にいる3人を見ていた。
また3秒程3人を見つめると扉に顔を向き直す。
「あいつ」
今度は逆に嬉しそうな、楽しそうな明るい声色であっくんが言った。
いつも見る、あのニコニコした表情で。

























もしかして健太に中にあっくんがいるんじゃ
リアルで怖いって
もしかして健太の中にあっくんがいるってこと、、?
いいですねぇやっぱこういう系の怖い話好きです。
スカッとする系かと思いきや
フリーナ