何故かわからないが俺は全身に鳥肌が立った。
隣を見ると委員長も同じだったのだろう。
あっくんがまるで別の何かに見えているように怯えた表情をしていた。
異様な光景に動けずにいると後ろにいた健太が叫んだ。
「アツヤ!なにしてんだよ!」
そう言うと健太は走って本堂にいるあっくんのところへ向かった。
あっくんは開いた扉の先の暗闇を見つめたまま動かなかった。
階段を駆け上がり、動かないあっくんを押し退けて健太が扉の前へと立つ。
転んだ拍子にあっくんの手にあった懐中電灯が床に落ち、扉の方を照らした。
「邪魔だよお前。さっきから何見て…」
横で倒れ込むあっくんを横目に、照らされた本堂の中に目を向けた瞬間、健太の動きが止まった。
ここからでは中までは見えなかったが、その表情は瞬きもせず、見開いた目はその中にいる何かを見て怯えているようだった。
健太の歯がガタガタと震えているのが見える。
気づくと倒れ込んでいたあっくんが顔を上げてニコニコと健太を見つめていた。
理解できない状況に固まっていると委員長が健太に向かって声をかけようとした。
その時だった。
開いた扉、照らされた暗闇の中から腕が伸びてきた。
骨と皮しか無く生気を感じられないその腕はミイラのようだった。
そして異様に長い。その腕は扉から2m以上離れている健太に向かってゆっくりと伸びていった。
その腕が健太の両脇を掴む。
健太は「ひっ…」と声にならない声を上げていた。
ここからでも健太の両脇に指が食いこんでいるのがわかる。それを見ているあっくんはニコニコしたままだ。
今にも叫び出したい衝動に駆られていた次の瞬間。
健太が扉の中に引き込まれ、扉が閉まった。
あまりの勢いに健太の体がくの字に曲がり、ボキッと音を立てて暗闇へと消えていった。
引き込まれたあと、骨が軋むような、折れるような嫌な音が辺りに響き渡った。
音が鳴り止み、一瞬の静寂が流れたあと、慎二と航希が叫びながら逃げ出した。
その声に反応するように俺も委員長も出口に向かって全力で走り出す。
途中後ろを振り返ったとき、あっくんが手を叩きながら大声で笑っているのが見えた。


























もしかして健太に中にあっくんがいるんじゃ
リアルで怖いって
もしかして健太の中にあっくんがいるってこと、、?
いいですねぇやっぱこういう系の怖い話好きです。
スカッとする系かと思いきや
フリーナ