その場に残されたトランシーバー。そのスピーカーから、再び無機質な声が聞こえる。
″…C地区の作業に遅延発生…″
″…至急、補修の人員を送る…″
呆然としたままで、俺はその音声を耳にする。
それから数分後。
トランシーバーから発せられた音声の通りに、若い女性がその場に現れた。
この女性もバイトの一人なのだろうか。
しかし、その女性の様子は…。
「ね、ねぇ、あなた達!」
その困惑が一目で解る程、混乱していた。
「…君も、『ラクガキの補修をするバイト』なのか! いったい何が起きているんだ!」
俺は女性にそう問う。しかし…。
「わ、わたしね、どうしてもお金が必要でね、このバイトに申し込んでね…それで、目の前で、人がね!」
混乱の極みの女性に俺の疑問の声は届かない。
「わたしは真面目に仕事してたんだよ。でもね、そ、それでね、人が死んでね、わたしね、気付いちゃったの。これね、このバイトは…」ぐしゃり。
言葉の途中。
何の前触れも無く。
女性が、消えた。
先程の男性バイトと同じく。
…また、人が消えた。
その女性のバイトが消えた瞬間。今度もカメラがその映像を捉えていた。
俺は映像を見返す。
スロー再生された映像の中。
その女性は。
その場で、一瞬にして、小さく、小さく。
凝縮され…。
女性は消えたのでは無い。
女性がいたはずの地面には。
小さな、本当に小さな赤黒い塊が落ちていた。
超重力での圧殺。
それは、欠片のように凝縮された女性の肉片だった。
























いままでで一番怖かった!