「絢子!
絢子~!」
大声で叫びながら彼は絢子を追いかける。
あっという間に彼女は闇に溶け込んでいった。
是枝は走りながら懐中電灯で前方を照らすが、見当たらない。
それから沢のあちこちを探してみたのだが、やはり彼女の姿はなく返事もない。
そこで通ってきた雑木林を抜け地蔵のあった曲がり角まで行き探すが、やはり誰もいない。
是枝は何度となく沢と曲がり角の辺りを往復してから必死に絢子を探すが、結局見つからなかった。
━もしかしたら車のところに戻っているのかも?
それで彼はトンネル内を入口に向かって歩いた。
それから車まで行き名前を叫ぶが、やはり返事も姿もない。
しょうがないから車内に入りエンジンをかけ、携帯をかけてみる。
コールはするが、でない。
「そんな、バカな!」
彼はハンドルを二、三回叩いて叫んだ。
ふと、時計に目をやる。
午後六時五分。
是枝はやむを得ず警察に電話をした。
※※※※※※※※※※
「なるほど、あなたが見たときには、もう既にいなかったんですね」
停車したパトカーの運転席の制服警官が、後部座席に座る是枝の方を振り返りながら、確認している。
この話は怖かったですか?
怖いに投票する 31票

























ねこじろうさんの作品のファンです。以前のサイトがなくなってから探してこのサイトでやっと見つけました。
今後のご活躍を楽しみにしています
怖話の頃からの読者の方ですね
わざわざ来ていただき、ありがとうございます
現在はこちらのサイトに作品をアップしております
今後もあげていく予定ですので、また時間のある時とかに読んでいただくと、光栄です
━ねこじろう
めっちゃ怖くて面白い
怖がってもらえ、光栄です
─ねこじろう