彼は真っ直ぐ水際まで歩き進むとそこで立ち止まった。
「こんな自然豊かな神秘的なところで嘗て猟奇的な殺人が行われたなんて、信じられないな」
そう言って是枝は隣にいる絢子の方に視線をやる。
そしてハッと息を飲んだ。
彼女はまるで恐ろしいものを目撃したように、大きく目を見開き半開きにした口をわなわな震わせている。
「どうした?
何か
見えるのか?」
震える指先で絢子が目の前の砂利地を指差しながら呟く。
「大柄の男、、、
黒い雨合羽、、、
こっちに背を向けてそこに跪いている。
男の前には、、、
何だろう?
ああ、、、
男の前には、、、
変わり果てた女の人が二人ぐったりして仰向けに横たわってる。
男は、、、
男は、、、
ああ、、、
右手に持った中華料理に使うような大きな包丁で、、、
包丁で、、、
ああもう、私無理!」
そこまで言って彼女は是枝に背を向けると、走り出した。
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今後のご活躍を楽しみにしています
怖話の頃からの読者の方ですね
わざわざ来ていただき、ありがとうございます
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今後もあげていく予定ですので、また時間のある時とかに読んでいただくと、光栄です
━ねこじろう
めっちゃ怖くて面白い
怖がってもらえ、光栄です
─ねこじろう