土は柔らかく三十分もすると、かなりの深さの穴が出来た。
額の汗を拭った後そこに息子を横たえ慎重に土をかけていくと、あっという間に元の地面の状態が出来上がった。
後はその辺の枯れ木でカムフラージュをしてから、林の中を歩く。
そして時間を潰して、昼頃に家に戻った。
玄関の扉を開けてただいまーと言おうとした瞬間、彼は目を疑った。
玄関先に息子のスニーカーがあるのだ。
そんなバカな!
思いながら彼はあたふたと靴を脱いで居間に入ると、ソファに座る妻に尋ねた。
「し、眞吾は……眞吾は、いるのか!?」
「あら、あなた、一緒じゃなかったの?
昼前には帰ってきたわよ。
あんまり、ワラビはとれなかったみたい。
それで、、フフフ、、あの子ったら、あんなところで寝てしまったみたいで。
何だか泥だらけでね。
あまり汚いからさっき、すぐシャワー浴びなさいって言ったの。
フフフ、、、」
テレビを見ながら可笑しそうに笑い、妻が言う。
そんな、そんなこと、あり得ない!
だって、あんな深くに埋めたんだぞ。
しかも、意識不明の状態で。
大島が茫然と立ち尽くしていると、パンツ一枚の息子が頭を拭きながら現れ妻の隣に座った。
「眞吾、お前、帰ってたのか?」
彼は出来る限り冷静を装いながら、尋ねた。
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なんでだろう、気が狂ってる死刑囚もいるな
宮崎勤かと思ったけど、年齢も刑までの執行機関が違うから別のかな
多分、別の死刑囚ではないかと。
年齢もそうですが、宮崎さんとは
また違った気配ですね。
コメントありがとうございます
─ねこじろう