物置の２階に住むモノ

『これは何だろう？？』と布を取ってみると
ガラスのケース箱に入った日本人形でした。
『なんだ、人形か』
とちょっと残念そうに無表情の人形を眺め、部屋の中を再度探索していきます。

押し入れを開けたり、箪笥の引き出しを開けていったりしましたが、
自分の思っているような珍しいものは特に出てきません。
そのうち、窓から入ってくる明りもあって妙な安心感が自分の中に出てきて
部屋の中で眠くなってしまい、押し入れからひっぱり出した古い敷き布団に横に
なって眠ってしまいました。

カタカタという物音で目が覚めると、さっきまで明るかった部屋は薄暗く

なっており、部屋を見渡すと誰もいません、、
この部屋に１人でいる恐怖心が急に襲ってきました。
『もうここ出よう』と薄暗い部屋の中から階段へ向かおうと立ち上がると
カタカタ、カタカタと部屋の隅から音が聞こえてきます。
恐る恐る部屋の隅を見ると、ガラスケースに入った日本人形が目に入ります
『まさか、、あの人形が動いてる？？』
そう思って目を凝らすと昼間見た時は無表情だった人形の顔がうっすらと
微笑みながら僕を見つめていました。

恐怖が限界まで達してしまい
暗闇の中、大慌てで急な階段を手すりを頼りに降りていきます。

「おばぁちゃん！！いるの？？」って大声で呼びかけますが返答がありません。
暗くて何も見えない中、階段の下までやっとの事で降りてきましたが
『どういうこと？物置の入口の扉が閉まってる！？』
階段の上の方からは相変わらずカタカタと物音がしています。

ゆっくりとあの人形がガラスケースを抜け出して僕の方に迫ってくる
イメージが頭の中に浮かんできて、、
扉を叩きながら泣き叫んでいました。

そして、、どれくらい時が経ったのか
兄妹と祖母に見守られながら目を覚ましました、

全然降りてこなくて心配になった曾祖母が帰ってきた兄妹に見てくるよう
頼むと僕はあの物置の２階で眠っていたそうです。。
その後帰宅した両親によって抱えられながら母屋へと運んでもらったそうです。