床下に潜むモノ
投稿者:りょりょ (2)
長編
2025/02/03
19:00
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それも、床下で。
音がしたほうに懐中電灯を向けると、
床束のところに、また白いものが見えました。
「……?」
懐中電灯の光を強めて照らした瞬間、
背筋が凍りました。
指でした。
それは動物ではなく、間違いなく人間の手。
床束の向こう側から、誰かが束を握るような形で
手をかけていたんです。
5本の指は、真っ白とも言えない、
灰色がかった血の気のない肌。
ゆっくりと、指が動いていました。
時が止まったかのような感覚でした。
どのくらい、その動く指を見つめていたのか
わかりません。
実際は、ほんの一瞬だったのかもしれません。
——バタン!!
突然、二階の扉が閉まる音が響きました。
ビクッと体が震え、我に返りました。
「ヤバい! 逃げなきゃ!」
私は、必死に点検口へ向かって
ほふく前進をしました。
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