自分は1人だった
投稿者:八尺マン (49)
長編
2025/01/28
23:20
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「いや、俺が今朝帰ってきた時に一緒にいた男がいただろう?」
「何のことだ? アンタは1人しかいなかったぞ?」
え?
俺は頭が真っ白になった
「かなりフラフラしていたけど一人で帰ってきてたぞ? おいおい。大丈夫か? 幻覚でも見てたのか?」
「いや、そんなはずは・・」
俺はしっかりと否定は出来なかった
なにせ、顔を思い出すことが出来ないのだ
俺の幻覚じゃないと言い切れない
いや、でも、そいつは俺の妻も見ているのだ
幻覚ではない
なら、なんだ?
俺は他に手がかりはないか調べた
財布を調べてみると昨日の日付のレシートがあった
昨日の夜に行きつけのバーで飲んだレシートだ
見るとかなりの量のお酒を注文していた
これは俺一人の量ではない
誰かと飲んでいたという証拠だ
俺は店に行くことにした
そこのマスターと俺は仲がいい
「いらっしゃい。今日も来てくれたんですね。昨日はだいぶ飲んでましたけど、大丈夫ですか?
え? 誰かと一緒にいたかですか?
いえ、お一人で静かに飲んでましたよ? いつもよりかなり早いペースで飲んでましたね」
まただ
また誰もいなかったという
これはどういうことだろう
あの男はいったい何者なんだ
俺はその後も色々と調べてみた
しかし、結局、何もわからなかった
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