秋田県鳥海山
投稿者:群馬 (3)
短編
2025/01/10
23:15
98view
秋田県と山形県の境にある鳥海山は、古くから霊峰として知られており、数々の妖怪伝説が語られている。その中でも特に有名なのが「鳥海山の妖怪」だ。
昔、鳥海山のふもとに住む村人たちは、夜になると山中で不思議な光や奇妙な音を目撃するようになった。特に、満月の夜には山から恐ろしい叫び声が聞こえ、村人たちは恐怖におびえた。
ある夜、村の若者が勇気を出して山に登ることを決心した。山中を歩いていると、突然彼の前に巨大な影が現れた。それは、顔は人間だが、体は獣のような姿をした妖怪だった。その妖怪は、鋭い目で若者を睨み、低い声で「ここから立ち去れ」と警告した。
若者は恐怖に駆られながらも、妖怪の警告を無視してさらに奥へと進んだ。しかし、進むにつれて霧が立ち込め、足元がおぼつかなくなり、ついには道を見失ってしまった。途方に暮れた若者は、一夜を山中で過ごすことになったが、夜明けとともに何とか村に戻ることができた。
しかし、村に戻った若者は、その体験を語ることなく、数日後に急死してしまった。それ以来、鳥海山では不思議な現象が続き、村人たちは山に近づかないようになったという。
前のページ
1/1
この話は怖かったですか?
怖いに投票する 0票
あんまり怖くないけど