あの日みたいに
投稿者:マチノスケ (16)
長編
2025/01/01
21:23
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絶対に、忘れないから。
約束するから。
お願い……目を、覚まさせて。
いつの間にか、朝になっていました。最初から何もなかったかのように、朝になっていました。未だに怖くて目を開けられませんでしたが、瞼越しに感じる日の光と小鳥のさえずりで朝だと分かりました。頭の中で散々反響していた声が、噓のように静まり返っていました。
終わった……のかな。
改めて、ひどいことをした。
その一言で片付けてはいけない。
もちろん許されたとも、思っていない。
でも彼女はもう生きていないし、戻らない。
それなら……
彼女を犠牲にした今の人生を、せめて幸せに生きよう。
償えなくなった罪を背負って、生きていこう。
彼女のことを覚えて、生きていこう。
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