「私もあのお客様はもう無理!NG出したのよね」
俺は予定表を前に下瞼をピクピクさせていた。
肩に誰かの手がポンと乗る。
そちらの方向を見ると石野さんがなんとも言えない顔で頑張れとGoodポーズを作っていた。
嘘だよな。
15階の廊下をとぼとぼと歩く。
足取りは鉛のように重い。
まだ入って日の浅い俺になぜこんな大役が任されたのか、それには相応の因果があったのだ。
なんでも先輩達のほぼ全員が俺が今から清掃に行こうとしてる部屋のお客様にNGを出したからだそうだ。
こと客室清掃の事で言えば熟練の精鋭部隊とも言える先輩達がこぞってNGを出すレベルの客、一体この廊下の先にはどんな化け物が待っている事やら。
5号室の前に着くと既に扉の前で1人の男性スタッフがお盆のような物を持って立ち往生していた。
なにやら困っているようだ。
「あの、どうしたんすか」
「え?あー…いやぁ、僕ルームサービスなんだけど……ここのお客様にお届けしなくちゃいけなくて」
ルームサービスを名乗る男はチラッと5号室のネームプレートを見やった。
まさか。
「その、怖くて入れないんだ」
嘘だろ、まじかよと心の中でボヤいてしまった。
「と、ところで君は?」
「あーえっと自分はこれからこの5号室に清掃に入るんすけど」
「ほ、本当かい!?」
男は嬉しそうにするとお盆をこちらに押し付けてきた。
この話は怖かったですか?
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けっこうこわかったです。
さすがに44Pもあると途中で挫折しました。
ぜひ今度5Pくらいの短縮版を書いてください。
怖くはない。だが悪くはない。
しんれいかいきみすてりーふうの、とあるぼうけんたん、ちょうへん。
主人公が俺っ娘だとは、ある一節まできがつかなかった 。
いつも空いている席の正体に続く、二作品目読ませていただきました。ジャンルとしては、心霊というより田舎・伝承系でしょうか。
師匠シリーズ、なつのさんシリーズのように登場人物に統一性があり、続編小説を読んでいるようでとても面白いし、なるほど、と思える話でした。次の話も楽しみにしています。
一作品目の話と、こちらの話は、朗読させていただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
俺は高2なのに1コ上の石野さん大学生なんです?