「ちょうど2号棟の上の方の階だったと思うんだけど、よく幽霊が列作って歩いてたりするのよ」
2号棟といえば昨日の幽霊の目撃情報も2号棟だったはず。
集めた情報が重なり始めた気がした。
「その、霊道っていうのは、昔からですか?」
「どうだろう、私はまだ1年しか居ないからなんとも言えないけど、少なくとも私がここに入った時にはもう霊道はあったよ」
以前霊道に関するとある怪異現象を鎖と追っていた際、鎖から聞いた霊道に関する解釈を思い出す。
鎖が言うには霊道には大きく分けて2つの種類があるそうだ。
1つが実際にレイラインに沿ってなにかしらのパワースポットを経由する形で形成される霊道である。
これに関しては鎖は大動脈と例えていた。
位置が変わる事の無い大きな管という事を表したかったのだろう。
2つ目が偶発的に発生し、時間と共に消滅する小さな霊道。
これに関して鎖は毛細血管と例えていた。
これは力の強い霊が独自の道を歩き、その霊力に引き寄せられた霊達がその後に続いていく、そしてさらにその様子を見た他の霊が続々とその後ろに続く、結果、霊が霊を呼んで生まれた偶発的な霊道がこれに当たる。
2号棟にあるというその霊道は果たしてどちらか。
「最近の2号棟の霊道の様子ってどうですか?」
「あーごめん知らない…私2号棟の清掃NG出してるんだよね」
NG、つまり2号棟の清掃には入らないと所長に直談判した過去があるという事か。
まぁ理由については大方予想はつくが。
「その霊道がさ、かなり規模がデカくて……まともにあっちじゃ仕事出来ないからさ…昔所長にお願いしたんだ……だから、もうしばらく2号棟には行ってないから霊道の様子は知らないな」
「そのうち自分も2号棟の清掃やるようになりますかね?」
「うーん、どうだろう。昔は2号棟も私らが清掃してたんだけど、今は別の清掃会社に委託しちゃってるからな、特殊な部屋の清掃をやってた田辺さんとかじゃない限り、よっぽど人手不足とかにならないとそれは無いかな」
それを聞いて少し気落ちしてしまった。


























けっこうこわかったです。
さすがに44Pもあると途中で挫折しました。
ぜひ今度5Pくらいの短縮版を書いてください。
怖くはない。だが悪くはない。
しんれいかいきみすてりーふうの、とあるぼうけんたん、ちょうへん。
主人公が俺っ娘だとは、ある一節まできがつかなかった 。
いつも空いている席の正体に続く、二作品目読ませていただきました。ジャンルとしては、心霊というより田舎・伝承系でしょうか。
師匠シリーズ、なつのさんシリーズのように登場人物に統一性があり、続編小説を読んでいるようでとても面白いし、なるほど、と思える話でした。次の話も楽しみにしています。
一作品目の話と、こちらの話は、朗読させていただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
俺は高2なのに1コ上の石野さん大学生なんです?