事故物件
投稿者:きのこ (6)
そんな風に、取り憑かれると必ずと言っていいほど、死にかけるような出来事が起こる。
いつも私を助けてくれている、強い守護霊のようなもの達が居てくれなければ、とっくに死んでいると思う。
災いは、仏壇に参ってから1週間程で治る。
取り憑かれている間は、毎回戦場にいる気で頑張るしかない。
誰かに助けて欲しくても、他の人達には男の子は見えないし、たとえ視える人がいても、祓うような力を持っている人には、まだ出会ったことがないからだ。
そして私は、災いを呼ぶ男の子について、不思議に思っている事があった。
私は毎回酷い目に遭っているのに、家族や親戚からは、そういった話を聞いた事がない。
皆仏壇の間に出入りするし、お参りもするのに、なぜ私だけがこんな目にあうのだろう。
そこで、仲が良い親戚の叔父さんに、
「仏壇に参って、何か悪い事が起きた事ある?」と訊いた。
すると叔父さんは、
「仏壇に参ったら良いことがあるものだろ、何言ってんだ」
と呆れた顔をして私を見る。
どうやら叔父さんは何ともないみたいだ。
納得できない私は、従兄弟にも訊いてみたが、
「はぁ? 無いよ」
と同じように怪訝けげんな顔をされた。
やはり、仏壇にお参りをする度に取り憑かれるのは、自分だけのようだ。
人ならざるもの達は、ただそこにいるだけなら特に害はない。
ただ、こちらが姿を視ようと集中したり、興味を持って話しかけようとすると、こちらを向く事がある。それが取り憑かれるきっかけだ。
しかし災いを招く男の子は、私が仏壇にお参りをすると、取り憑いてくる。
条件が少し特殊なので、正体が気になった。
自分に視えているのが本当の姿かどうかは分からないが、可愛らしい見た目に反して、力がとても強い。
しかも、死にかねないような災いばかり起こす。
悪霊というよりは、死神と言った方がしっくり来る。
また別の話になるが、我が家には家を呪っているご先祖様がいて、最初はその人のせいかな、と思っていた。
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