赤い電話

次の瞬間、電話を取ったやつがその場で倒れた。
慌てて他の友達が彼を揺さぶったけど、
目を開けた彼の様子が明らかにおかしかったんだ。

まるで何かを見てしまったかのように、
怯えきった目で「返さないと…返さないと…」って繰り返し呟き始めた。

その後、彼はすぐに救急車で運ばれたんだけど、
目が覚めてもずっと同じことを呟いてるらしい。

「返さないと…俺の中に…いる…」って。

そして驚くべきことに、
後日その病院の跡地を調査した地元の研究者が、

とある古い記録を発見したらしい。

そこには、病院が閉鎖される直前、
「赤い電話」を使って最後の通報をした人物が、
病院の地下室で死亡していたことが書かれていたんだ。

しかも、その死亡した人物の遺体が、
何かに「返してくれ」と叫んでいた記録も残っていたとか。

結局、その「赤い電話」は誰が使ったものなのか、
そして一体何を「返さなきゃ」いけなかったのかは謎のまま。

ただ言えるのは、あの電話に出た人たちはみんな
何かしらの「異変」に巻き込まれてしまうってこと。