奇々怪々 お知らせ

特別投稿

ねこじろうさんによる特別投稿にまつわる怖い話の投稿です

3人の意味不明な女
長編 2024/10/11 14:43 10,616view
5

これから挙げる3作は、わたくしの作品の中でもかなり意味不明な女が出てくる過去作です。

どうか皆様その意味不明さを心いくまで御堪能していただくとともに、三人の中で一番意味不明な女をコメントいただくと、嬉しいです。

※※※※※※※※※※

【意味不明な女その1】

━マッチングアプリの女━

━━━━━━━━━━

俺は今年で30になる独身の男だ。

これまで、お見合いパーティーだの、街コン、合コンだのに参加しては来ていたのだが、なかなか女性と知り合いになることは出来なかった。

それならということで成約率業界随一というキャッチフレーズのマッチングアプリに登録してみると、なんと登録後わずか3日で23歳の女とマッチングした。

加那というその女は、住んでるところは同じF市の中心辺りで、しかも卒業した高校も同じだった。

しばらくメールのやり取りをした後、写真交換をし合うことになった。

送られてきた写真は、
どこか広い草原みたいなところで撮ったスナップ写真でノースリーブの白のワンピースにつばの広い麦わら帽子をかぶるスラリとした背格好の女性が映っているんだけど、遠くから撮られているみたいで顔とか細かいところがはっきり見えない。

あと違う場所でもう1つ撮った写真があったのだが、それも被写体がぶれていて肝心の顔が分からない。

若干の不安はあったが、せっかくのチャンスだから日曜の昼間から会うことにした。

※※※※※※※※※※

場所は、市内の繁華街の中にある小さな稲荷神社。
彼女の指定だった。

おかしなところを指定するなあと思いながらも約束の時間の10分前に到着した俺は、境内にあるベンチに座りボンヤリと足元の辺りを忙しなく彷徨く数羽の鳩を見ていた。

暦の上ではもう秋なのだが、日射しはまだ強くて相変わらずジワワジワワという蝉の声が聞こえてくる。

すると突然鳩たちが逃げるように一斉に飛び立った。

ふと顔を上げると、2メートルほど前方にいつの間にか女が立っている。

白いノースリーブのワンピースに、つばの広い麦わら帽子の姿は、以前送られた写真の女そのものだった。

帽子をかなり目深にかぶっているため、顔は見えない。

「加那さんですか?」

言いながら立ち上がると、彼女は微かに頷いた。

1/12
コメント(5)
  • 1話目の女の人が、1番意味不明でした。面白かったです。

    2024/10/11/18:49
  • コメントありがとうございます。
    ━ねこじろう

    2024/10/15/10:21
  • マッチングアプリの場合「同じ場所で待ち合わせした別の異性と間違ってデートしてしまう」ことが実際にあるし,酷い場合だと「どこからか情報を盗み出してマッチング相手になり済ます」なんて話もある。
    特に1人目の女性,その類じゃないかな。

    2024/10/17/05:49
  • いわゆる成り済ましというやつですね。
    でもこの話の女はそんな生易しいものではなくて、そもそも人間?という話です
    ━ねこじろう

    2024/11/14/11:05
  • フリマの女は実際に居なくも無さそうで嫌だな(ノдヽ)

    2024/11/19/20:10

※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。

怖い話の人気キーワード

奇々怪々に投稿された怖い話の中から、特定のキーワードにまつわる怖い話をご覧いただけます。

気になるキーワードを探してお気に入りの怖い話を見つけてみてください。