飛行船の女
投稿者:薪割り (2)
短編
2024/10/11
12:58
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「ざんねーん」
手のひらを大ぶりに、大袈裟に振る舞うように、手を振り続けていました。
普通、喋ると口の形が変わるでしょ。でもその女はずっと口を開けて嫌な笑みを浮かべ続けているんです。
気味が悪いので、やっぱり、そそくさと逃げました。
それから会場に戻ったら顔面蒼白の母が私を探してて。その後はなんの問題もなく飛行船のツアーは終わったんですけどね。
ただね、今になっても空を見ると、変なものが見えるんです。
ぼんやりと空を眺めているとですね、何かこう、うっすらと何か、手のひらのようなものが見えるんです。
なんなんですかねこれ。
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