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妖怪・風習・伝奇

やおよろず やおさんによる妖怪・風習・伝奇にまつわる怖い話の投稿です

ワタヌキ様
短編 2024/10/03 15:39 2,921view
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その日は爺ちゃん婆ちゃん帰ってくるのが遅かったんだ。
両親は少しハラハラした様子で家の外の暗がりをチラチラ見つめてたのを覚えている。
流石に虫の声も少しずつ静かになるほどの深夜になっても帰らないことを心配して、親も様子を見に行った。

それからしばらくして、儀式が終わったのか大勢の声が聞こえて家の周りがやけに騒がしかった。
引き戸を開けてチラリと外の様子を確認した。

「………で……しなかっ……!!」
「こ…なこ…、……だ……!」
「もとに戻…か…無理……うな…」

複数人の声にかき消されてしまい何を言ってるかわからなかったが、揉めているのはわかった。

気がつけば周りには爺ちゃん婆ちゃん以外にも

寺の坊さん、他に知らない顔のお坊さんも複数。
ただならぬ気配を感じて、不安になった私は
そっと扉を閉めようとしたのだが思いの外大きな音がたってしまい
全員が一斉にこっちを向いた。

その時、近所のおじさんたちが2人ほど子どもを抱えているのがわかった。

母が駆け寄ってきたため私の視界から子どもの姿は消えた。

「大丈夫よ、何もないからね。早く寝なさい」

そう言って私は家の中に戻されたが、
布団に入っても眠ることができなくて
寝たふりしながら大人の会話を聞いてたの。

「まさか○○のとこの子たちがいたなんて…」
「もっと気をつけるべきだったわね…」
「早めに気がついてよかった…気がつくのが遅かったらあちこちやられてただろう」
「けど、もとに戻るのかしら…」
「もしかしたら難しいかもな……精神的なもので済んだだけで幸運と思うしか……」

村の人たちは全員顔見知りだ。
被害?にあったあの子どもも名前を聞いてピンときた。
けど、何があったんだろうか。
明日聞いてみよう…と考えてるうちに私は眠りについた。

次の日になって、両親や爺ちゃん婆ちゃんに昨日のことを聞いてもはぐらかされるばかり。
じゃぁ、本人の家に行ってみようと向かってみても、家の中は空っぽで誰もいなかった。

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