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投稿者:やおよろず やお (6)
これは俺が事務所の先輩芸人さんに聞いた話。
よくバラエティ番組にも出演してたりして
テレビをよく見る人ならすぐわかる結構有名な人なんだけど
俺はよくその人に可愛がられてたんだよ。
ライブやらトークイベントとかの後、良く飲みにも連れてってもらってたんだ。
その日は夏に放送される予定のホラー特番のロケ撮を先輩とした。
現場に出る経験が浅かった俺は、終わってからも興奮が冷めなくて
先輩と飲みながら続きと言わんばかりにマシンガントークを交わしてた。
「いやーさすがっす。心スポとかめっちゃ怖いのにちゃんとネタ仕込んだり、めっちゃおもろかったっす!カットされるとこないんじゃないっすかね!」
「いやいや、後輩の前だからよ。ちったあいいとこ見せないとな〜」
上機嫌でお互い話してた。
「けど、心スポきたらなんか見えるかなーって思ったけど全然でしたね(笑)」
「んなんいるわけないだろ。てかお前本番中ちゃんとビビってたなw」
「そりゃ心スポですし怖いっすよ。変な仕込みあったりもしたし…」
「ばーか、んなん思い込みよ。現になんもねえ。大体な。ありきたりかも知れねえがやっぱ生きてる人間がいっちゃん怖えのよ」
「え、そうっすか?もしかしてなんかやばいエピソードとか持ってるとか!?」
俺がふざけて言うと、少し黙った後
先輩は焼酎をグッと飲み言った。
「あるよ。」
一瞬だけ歪んだ表情を見せた先輩だったが、気のせいだったのだろうか
いつものようにおちゃらけて話し始めた。
「いやー、これは俺がお前くらいの時よ!
そん時くらいから仕事が増えて、ちょっと調子乗ってたことがあってよお〜」
先輩は続けて話し始めた。
「俺もさ、モテたのよ。今じゃ問題になっちまうけどさ、まぁファンの女の子と取っ替え引っ替えしたりさ、やんちゃしてたってワケ。けどな、1人ちょっとやばい女の子に手出しちゃってたのよ。」
「あー、なるほど。ストーカーになって大変だった、みたいな?」
「まぁ、最初は…そうだな。頻繁に連絡が来たり、会いにきたり…寂しがりやなんだなとか思ってたんだけどな。段々悪化してきたんだよ。突然押しかけてきたり、誰といるのかどこにいるのか、何をしてるのかを事細かに聞いてきたり…」
「うっわ…怖いっすね…」
「あぁ…。俺も無理だわって思って連絡しなくなっても、引っ越してもずっと粘着して突き止めてきたんだよ。俺もさ、参っちゃって。
ある時もういい加減にしてくれ!お前なんかと一緒にいれない気持ち悪いな!!ってブチギレちまったんだよ」
( ゚д゚)
ママめっちゃヤベぇ人じゃないっすか…
ストーカーて執念がすごい…