私さ、いわゆる「見える人」なんだよね。
あ、だからって何かできたりするわけじゃないよ。
意思疎通なんて無理だし、ましてや払うとか出来ない。
「ただなんとなくいるなー」とか、「あ、生きた人じゃないんだー」ってわかる感じ。
こっちは見えないふり決め込んでるし完全無視してるからなんもないんだけどね。
人間観察がてら幽霊観察とかが趣味になりまして。
いくつか観察エピソードがあるからその一個を書こうかな。
確か3年前かな。
私が在籍してるスナックに入店してきた子がいてね。
あいらちゃんって名前。
うちのスナックは50〜30代が数名であいらちゃんは20代前半とかだったから特に若くてさ
常連さんも鼻の下伸ばしてデレデレしちゃってたわけよ。
確かにスペックも高くてさ、小さい顔に目もぱっちり鼻だってすらっとしててぷっくりうるうるの唇。
小柄ながらスタイルも良くて、愛嬌もいいの。
けどね、初めて会った日ゾッとしたよ。
すっごいニコニコで「あいらって言います!よろしくお願いします!」
って気持ちいい挨拶してるあいらちゃん。
背中から溢れんばかりに何人も背負ってるのよ。
何人?いや、猫や犬、蛇なんかもいる。
酒なんかまだ一滴も入ってないのに気持ち悪くなったもんよ。
けど私が見えてることは誰にも言ってないからさ、適当に軽く話して後は距離とってたんだよね。
ただ、後ろに憑いている以外あいらちゃん自身は悪い子じゃない。
明るくてハキハキしてて普通の女の子。
呪われてんのかなーなんか不憫だなあ…って思いながら数日過ごしたんだけどさ
ある時、うちのお客さんがあいらちゃんの後ろに憑いてたんだよ。
「え…っ」
つい言葉が漏れちゃったよね。
あいらちゃん、やっぱり聞き逃してなくて
帰り道に話しかけてきたんだ。
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