四隅の実験
投稿者:horiedon (6)
四人はその先生に連れられてコテージの方に戻ることになりました。
コテージの前までくると、様子を見に行った先生のうちの一人がどこかに走っていくのが見え、しばらくするともう一人の先生がコテージの横で真剣な表情で電話しているのが見えてきました。
どうやら現場は緊迫した雰囲気のようです。
「ほら、あれ見ろ」先生はそう言ってドアの所を指さしました。
なんと、ドアの隙間に向かって、おびただしい数のアリが川の流れの様に吸い込まれていっているのです。
四人が部屋を離れてから10分とたたないうちに一体どこからこんな数が湧いてきたのでしょう。
「問題なのは部屋の中だよ」そういって先生はアリの群れをまたぎ、指先でノブを掴んでドアを開けました。
アリの群れを辿る様に視線を上げると、薄暗い部屋の真ん中に、食べかけの腐ったトウモロコシが山の様に積み上がっていました。
蛍光灯に届きそうなほどの高さで、その大きさに四人は愕然としました。
言うまでもなく、トウモロコシは総じて焦げ茶や黒に変色しており、酷いにおいを発していました。そこにアリやハエ、さらにはカメムシが山を埋め尽くさんばかりに群らがっており、目を背けたくなるような光景を作り出していました。
何より気味が悪かったのは、その腐ったトウモロコシの山から真っ黒な汁が部屋の隅に向かって漏れ出して、そこで溜まっていた事です。それはまるで、残飯の山が部屋の隅から這いずってきた跡の様に見えたのだと言います。
話を教えてくれた同級生曰く、この話はその学年の中では既に常識であると同時にタブーにもなっているそうです。なんでも、あの四人がそういった噂話を耳にして、些細な事でも思い出してしまうと、精神に不調をきたしてしまうからだというのです。
自業自得と言えばそれまでです。ですが私は、ちょっとした思いつきのために、割に合わない体験を一生背負うことになってしまった四人がなんだか可哀そうに思えました。
やはり、都市伝説は面白半分で実験しない方が良いみたいですね。
片付けが大変ですね
歯をちゃんと磨いていなかったんですね