そうこうするうちに、蝶子の命日がやってきた
明子と良明はもう幽霊を見たくないと言っていたが、次男と三男を蝶子に見せて助命嘆願しなくてはならないと言ったら、しぶしぶ付き合ってくれることになった
夜になって皆で固唾を飲んで見守っていると、引っ越してもオレの場所が分かるのか、15年前と同じように蝶子がテレビ画面から出て来たんだよ
『良彦〜約束通り連れて行く〜』
ってね
前回と違ったのは、赤ん坊をその手に抱いていたことだ
といっても本物の赤ちゃんではなく、良子だと言い張っていたあの人形だ
見た感じも作り物感が丸出しで、開閉する目蓋には切れ目がある
後に霊能者に聞いたら、蝶子は念の力が強くて、思念で赤ん坊を作り出したのではないかということだった
どうせなら本物の赤ん坊そっくりに作れば良かったと思うけど、人形を元に思念で作ったからか、人形そっくりになったんだね
そいつは笑顔で『ホギャーホギャー』と、不気味に泣いて凄く気持ち悪かった
蝶子の幽霊は、
『良彦〜来るのだ〜私も良子も待ちくたびれたのよ〜』
と言ってオレを掴んで引っ張った
だが、
「まだだ、この子たちもオレの子だが、20才になっていない」
と前回いなかった子供たちを見せたんだ
すると蝶子は、
『えっ、うぅ……ぐぬぬ……確かに良彦の匂いがする。お前の血を引いた子らしいな。この子たちは何才だ?』
と怒って、鋭い目で睨んできた
オレは恐怖で、
「10才と5才だ……」
と、つい本当のことを言ってしまったんだ
年下に誤魔化すべきだったよなぁ
だが蝶子は、
『あと15年、15年だけ待ってやる』
と言って消えてくれたんだ
その場は収まったけど、後15年……このままではオレは60才で死んでしまう、そうなる前に何とかしなければ!と思ったよ
その数年後、オレは仕事で出張した時に、お前の母である綾香(あやか)と出会ったんだ
一人暮らしでフリーターをやっていた綾香は、まだ19才になったばかり
若いからたくさん子供が産めるだろう、とオレは喜んで口説いたよ
勿論、独身だと嘘をついた
オレはうんと年上だったけど、綾香は家族から愛されていなくて愛に飢えていたから、親子ほど年の離れたオレに懐いたんだ
間もなく、オレの子供を身ごもった






















因果応報だな
蝶子に同情するよ
しかしまあ、ここまで女の人を次々誑かせるんだから、イケメンなんでしょうね…クズ男ですけど
ドラマで観てみたいです! 世にも奇妙な物語みたいに
思い付くセンスすごいですね!!
ゾクッとしました!
花音さんまさかの裏切り!