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呪い・祟り

ねこじろうさんによる呪い・祟りにまつわる怖い話の投稿です

かぷせるほてる
長編 2024/07/16 16:23 15,330view
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一瞬目の前が真っ白になる。

軽い目眩を感じつつ何とか口を開いた。

「そ、それはいったいどういうことなんですか?」

白髪刑事が続ける。

「こちらのスタッフの方が言うには、深夜2時頃に7階のカプセルフロアを見回っていると、廊下に血痕らしきのが点々と付いているのに気付いたそうです。

不審に思いながらその跡を追ってみると、あるカプセル前で途絶えていた。

それで確認すると、上段は空で下段には人が横たわっているのに気付く。

ロールスクリーンは上がっていたので室内を覗くと横たわるお客の両足の裏にベッタリ血が付いているのに気付き驚いたスタッフは何度か声をかけるが、まったく返事がなかった。

それですぐに他のスタッフを呼び一緒に室内を確認したら、梶原さんと思われる男性が外出着のまま仰向けに横たわってました。
その頭頂部は無残に割れ白いワイシャツのあちこちにはどす黒い血糊が付いており、体や手足の至るところに痛々しい外傷があったということです。
もちろん、すでに亡くなられていました」

私は頭を抱えると刑事に尋ねます。

「昨晩まではいつもの感じだったのに、原因はなんだったのでしょうか?」

すると今度は若い方の刑事が口を開いた。

「これは現段階の現場検証での推測になりますが、梶原さんは多分、このホテルの7階から飛び降りをされたのではないか?と」

「飛び降り?

すみません、ちょっと意味がわからないのですが、、
梶原は7階にあるカプセルの部屋で見つかったんでしょう?」

私は若い刑事に尋ねる。

「はい。
最初私たちも現場の状況から、カプセルで睡眠中に何者かに襲われたのではないか?と思いました。
でも枕元に置かれた財布はそのままだし、争ったような形跡もない。
そこで私たちは廊下に残された血痕を辿ってみたんてす。
それは7階の非常口階段からホテル裏手にあるスタッフ専用駐車場のアスファルト一角にまで点々と続いていて、そこには大量の血だまりがあったんです。
これはつまり、、、」

7/11
コメント(7)
  • さすが、という内容でした。
    面白かったです。

    とく

    2024/07/17/11:32
  • お褒めの言葉、ありがとうございます
    ─ねこじろう

    2024/07/18/12:55
  • 読みごたえ、ありました。

    2024/07/18/14:12
  • ありがとうございます
    ─ねこじろう

    2024/07/19/11:52
  • 1ページ目の「そのビジネスホテルは駅のすぐそばだったから…」はカプセルホテルの間違いかと思います。

    2024/07/29/07:40
  • この話では駅前のビジネスホテルの一部フロアをカプセルとし、他のフロアは大浴場及びシングルダブルの一般のビジネスホテルフロアという設定にしたのですが。
    ━ねこじろう

    2024/08/17/14:53
  • 「微唾みの泉」とは何でしょうか
    知識不足ですいません..

    2024/10/31/18:10

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