で、やっと見つけたんだよ。
車で2時間くらいの、こんな山奥に神社あんの?って場所。
俺たちてっきり、わら人形が刺さってると思ってたんだけど、
どうやら神社の関係者が片づけているようだった。
形跡探しの段階だから早朝4時くらいにいったんだけど、
神社の人が木の傍でなんか作業してるのが見えて、
いなくなった後に見に行ったら釘打った穴が開いてた。
たぶん見つけるたびに片づけてるんだろうな、と思った。
半年間、求め続けた場所がここにある。
まるで絶世の美女に会ったようにスーパーハイテンション。
季節はちょうど夏休み。
山のふもとに湯治宿があって、7泊のプランで予約。
日中は川で遊んだり、釣りしたり、野球したり。
深夜1時を回った頃に神社に行き、深夜3時まで監視体制。
そんな日々を過ごし、丑の刻参りは見られないまま3日が過ぎた。
元より見られる確率なんてほぼほぼゼロだろうと思っていた俺たちは、半ばあきらめムード。
日中の遊びメインで楽しく過ごしてた。
4日目の朝、煙草を吸いにみんなで外に出た。
当時19歳で、もちろん宿には免許証とか見せてたから、
宿のおっちゃんに見つかってこっぴどく叱られた。
で結局、泊まった分の支払いだけして追い出されちゃったんだよね。
悪友の一人がイケイケのヤンキーなんだけど、
おっちゃんの胸倉掴んだら逆に華麗な背負い投げされて30分くらい苦しんでた。
流れ弾でもう一人張り手くらってた。
張り手ボーイをHとしよう。
Hは、「あの糞親父、丑の刻参りで呪い殺そうぜ」なんて言い出した。
おいおい俺らがやっちゃ意味ねえだろwって雰囲気だったが、
ヤンキーボーイのYも賛同した。
流れにつられてみんな乗り気になっちまった。
方法はよくわかってなくて、みんなで覚えてる限りで作戦会議。
「人を呪わば穴二つ」
ほんとこれに尽きるなあ
おっさんつよいな
穴二つってか完全に返されてるよね
呪い返しくらっちゃってるよね
人を呪わば穴二つ、まさにその通りだね