O「親戚とかにはいないね。というかどうしても気になるならそれこそ〇〇寺があるじゃん。学校の近くに。」
宗派分からないが学校から車で行ける距離に寺があるので私個人を頼るよりそういった専門家に頼めば良いだろうと言った。
ただ、その時間は拝観時間を過ぎていたのでまた後日ということになった。
一応、Fとも連絡先を交換した(知人の彼女の連絡先がスマホにあるのはなんとも嫌な気分ではある)
グループLINEも即席で作り、何かあればそこで情報共有をしようということになった。
その日、早くもグループLINEで動きがあった。
のアパートでは突然隣の人が怒鳴り込んできたのだがそれはEがアルバイトから帰ってきた時に「無人のはずの自宅にお隣さんが怒鳴っている」という状況を目撃したというものだった。
アパートの管理人さんやお隣さんと一緒に部屋に確認しに行ったのだが誰かが隠れている訳でもなかった。
Dのアルバイト先のゲームセンターでは終業時間後にクレーンゲームを揺らした時に出るアラームが鳴ったので見に行ったが誰もいなかったということがあった。
そういったやり取りをしているうちに、Fからの発言があった
F「家の前に3.4人張ってる!家に入れない!」
というもの
ひとまずの手段として適当なコンビニに向かってもらい、終業後のDに回収して貰った。
Fが言うには家の玄関の前で中から出てくるFを待ち構えるようにして立っていた人達を遅帰りしてきたF自身が見つけたという。
一旦の対応としてBの家にFを泊めてもらい(私は断固拒否した。気まずすぎる)お寺に行く日になるまでそこで泊まらせてもらうことになった。
私の家にはなにかあるかと身構えていたところ、そろそろ寝ようかという0時半頃に私の家で動きがあった。
寝巻きに着替えてゆっくりしていると庭のプランターや鉢植えが割れる音がし、確認しに行くとその悉くが破壊されていた。
しかしなにか見たとかそういうのでもなくただ舌打ちして「片付けダル…」と毒づいて30分ほどかけて破片を片付けた。
その後も怪奇現象らしきものはほか4人に発生していたそうでFはしばらくBの家に泊まり込み状態だったらしい。
ただ、経験した怪奇現象の規模は私が1番大きかったのだそう
他の面々がせいぜいインターホンが鳴ったりラップ音がした程度なのに対して私は物品の破壊(鉢植えなどの陶器類)や植えていた植物が枯れるなどの規模だった。
そうして迎えたお寺の人にみてもらう当日。
一応の連絡はしておき、いざその日になってお寺に向かうと住職では無いであろう、若いお坊さんが出てきて一言「ご案内致します。こちらへ。」と業務的に御堂の方へ案内された。
案内された先で待っていると住職さんが来たので4人から詳しいことを話して貰った。
話を聞き終わった住職さんは
「……事情は分かりました。皆様を苦しめるものの正体はいわば呪い、そしてそれにひきつけられたもの達によるものでしょう。」
呪いというと昨今アニメや漫画で有名な某作品があるかあのようなカッコイイものではなく「命を対価に影響を及ぼす」タイプのものらしい
「この呪い…呪術的なものなのですが特定の家系や部族を対象としたものというよりもっと大きな、それこそ国そのものを呪うようなものです。私は詳しいとは言えませんがあまりに対象が多かったため、並大抵の呪いでは呪いきれず規模の大きい呪いが必要だったのでしょう。呪いとして完成してもとても国全体の人に影響を与えるほどになるとは思えません。」
一呼吸おいた住職さんは続けてこう言った
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