※※※※※※※※※※
室内は薄暗く、どこかどんよりとした重い空気が漂っている。
女はサンダルを脱ぐと廊下に上がり、そそくさと歩き進む。
満男も訳も分からず靴を脱ぐと、その背中に従った。
女は廊下突き当たりのドアを開くと彼を中に入れる。
そこは居間だろうか
中央にあるのは大きめのアンティークな机。
壁際には茶箪笥がありその上には箱型のテレビや日本人形そして柱時計と、どこか昭和を思わせるような風情だ。
満男は昔のホームドラマの一場面を間近にしているような錯覚に陥った。
彼女は机の上にランタンを置くと、
「ここにお座りなさい」と言って手前の椅子を勧める。
言われた通り満男はそこに座った。
すると女は「ちょっと待っててね」と彼に言うと室の奥にまで歩き襖を開き、その向こうの部屋に消えた。
しばらくすると女の囁くような声がする。
大丈夫よ、、、あなたはいつもの通りそこで寝てて、、、
─隣の部屋に誰かいるのかな?
と満男が座ったまま訝しげに思っていると、いつの間にか女が傍らに立っていて「どうぞ」と湯飲みに入ったお茶を彼の前に置いた。
それから女は彼の前に座ると、いろいろ質問をしだす。
この話は怖かったですか?
怖いに投票する 50票
※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。