「おととい、妻のカバンに勝手に入っていたやつです」
「なるほど。ベビーチェアはなかったですか?」
「あったけどちょっとデカくて。こっちにしたんだけど、よくなかったですか?」
「いえ、これで問題なしですよ。ちょっと失礼」
男は空箱を手にして箱の蓋を開けた
中をちょっと見て、蓋を閉めて戻してきた
「ありがとうございます。お返しします」
「もういいんですか。もっと色々調べるのかと思ったんですけど」
「いえ、十分です。これでわかりました」
「わかりましたって何がです?」
「もちろん。今回の騒動の真相がですよ」
「えっ?」
真相がわかった?
昨日、これまでのことを話して、今日、お菓子の箱を見せただけだぞ?
それでわかったというのか?
「単刀直入にいいましょう。今回の騒動、これは心霊現象ではないです」
「は?」
心霊現象ではない?
それはどういうことだ?
「説明しますね。今回の件、おかしな点があるんですよ。たとえばこれです」
男はお菓子の空箱を持った
「どういうことです? その箱のどこがおかしいんですか?」
どうみても普通の菓子の箱だ
いったいこれがなんだというのだ
「この箱がというか、この箱がこの状態であるのがおかしいんです。なんでこれは空なんでしょうか?」
男はまた箱を開いてみせた
「なんで空ってそれは食べたからじゃないのか」
「そうですね。実際、箱の中をよく見ると、ビスケットの食べかすがあります。奥様がお食べになったのは間違いないでしょう。問題はそこです。奥様はこの子供向けのお菓子が心霊現象だといっているんですよね。なんでそんなものを食べたのでしょう? 普通、そんなもの口にしません。開けたりもしないでしょう。そのまま捨てます。しかし、これは開かれていて、しっかり食べている。おかしくないですか?」
それは・・・確かにそうだ
なんでそんなものを食べたんだ?























事実は小説より奇なり、ですね。
うわっ\(>_<)/
心霊騒ぎと思ったら奥様の浮気でした…からのどんでん返し。
最後に残った謎は、奥さんはベビーカーと5歳児の矛盾を理解していたのか(怖)。
人間が一番恐ろしい
めっちゃ面白いです!