今、蘇る霊

ありえない

だが、この上司が嘘を言っているとは思えない

なら、その子供というのは・・・

妻はすぐに電話を切り、そして泣き出した

「化けてでてきたんだ！！　生まれるはずの子が！　私を恨んで！！」

泣き叫んだ

俺は彼女を必死で宥めた

「化けて出るなんてそんなことあるものか！　きっと上司が見間違えたんだよ」

俺はそう言ったが、しかし、俺自身ですらその説を信じることはできそうになかった

わざわざベビーチェアを送るくらいだ
間違いなく見かけたのは妻だったのだろう

それにこれまでのこともある

いったい何が起きているのか
本当に化けてでてきたのだろうか

そして、また数日後
ようやく落ち着き始めた彼女と俺は外食にでかけた

俺ら二人が外食から帰ってくると、リビングに子供のおもちゃが置かれていた

子供が乗って遊ぶ消防車のおもちゃだ

妻はまたも泣き出した

ここは呪われている
早く引っ越そうと聞かなかった

もう限界だ
どうにかしなくては

しかし、こういう時、どこに相談すればいいのだろう
警察にいったところでまともに対応してくれるとは思えない

ああいうところは何か事件になってから動くものだ