学生の頃、僕はアパートで独り暮らしをしていて、実家から時々食料が届いていたからとても助かっていた。
ほとんどは日持ちがするようなインスタントやレトルト食品だったり、温めるだけのパックご飯だったり、という感じだった。
ある時、送られてきたものを見てみると、レトルト食品と一緒に「餅」のセットが入っていた。
セットには、四角い餅が1枚ずつ個別にパック詰めされていて、白い餅とよもぎ餅がそれぞれ10枚ずつ、全部で20枚入っていた。
パック詰めされているとはいえ賞味期限が短かったから、とりあえず冷蔵庫に入れておいた。
最初はよもぎ餅から食べ始めたが、少食の僕には1枚が大きくて、1日に1枚食べればそれで十分だった。
毎日トースターで焼いて砂糖醤油かきな粉で食べるのだが、それ以外の食べ方を知らないから、半分以上食べたあたりで、正直少し飽きた感じはしていた。
途中で食べない日もあってかなり時間がたってしまったが、よもぎ・白・よもぎ…と決まった順序で食べ進み、いよいよ残り1枚となったところで、しばらく帰省することになった。
帰省から帰ってきて冷蔵庫を開けると、そこには1枚の「よもぎ餅」が入っていた。
僕は、その「よもぎ餅」を食べることができずに捨ててしまった。
前のページ
1/1
この話は怖かったですか?
怖いに投票する 0票
























※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。