売れない人形
投稿者:八尺マン (46)
家には絶対帰りたくなかった
財布とスマホをあらかじめ持っていたことは大正解だった
ネカフェから会社に行く生活を始めた
着替えは全部買い直した
痛い出費だが、背に腹は代えられなかった
家に戻ったら今度こそ俺は狂ってしまうに違いない
死ぬまであの人形に自分の血を与え続けることになるだろう
ネカフェ生活を1週間ほど続けていた時だった
電話がかかってきた
あのグッズショップの店主だった
「よかった。無事だったんだね。もうあの人形は君のこと諦めたみたいだから大丈夫だよ」
「は? ど・・どういうことです?」
この人はあの人形のことで何かを知っているようだ
そういえば、あの人形をレジに持ってきた時、戸惑ったような表情をしていた
「電話で話してもあれだ。お店に来てくれないかな。そしたらわかるから」
俺はお店にいくことにした
怖い気持ちはあった
だが、このままネカフェ生活を続けるわけにもいかないのは確かだった
「やあ。早かったね。君には嫌な思いをさせてしまった。申し訳ない」
店には店主さん一人だけで他には誰もいなかった
「いったいあの人形はなんなんです? あれを貰ってからおかしなことに・・・」
俺は喋りながらいつもの癖で店奥の方に視線を移した
そこにはあの人形があった
「うわっ!!」
俺はその場で腰を抜かして倒れてしまった
間違いない
あの人形だ
あの赤黒く巨大になった姿ではなく、貰ったばかりの手のひらサイズに戻っている
「大丈夫だよ。ここにあいつが戻ってきたということは君は解放されたんだ。もう狙われることはないだろう」
そんな俺に店主さんは優しく語り掛ける
「貴方は・・何を知っているんです?」
怖かったです((T_T))
( ゚д゚)
怖すぎる!
チャッキーみたいやな
それが魔物でも生きた人間でも勝手に気に入られて勝手に付き纏われ最後は命まで奪われるなんて理不尽で怖過ぎる。