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心霊

まろさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

儀式の呪縛
長編 2024/02/15 19:51 4,533view
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俺の親戚は幽霊とかが生理的に無理な人間である。今回その所以を聞くことができたので、自分なりに少し改変するが、全てを記そうと思う。会話文や表現も自分の想像であることを許して欲しい。

私は、医者です。病院にまつわる怖い話などたくさんありますが、幽霊というものは信じません。そもそも人間は、化学物質の集合体であるのだから死んだらそれで終わり、即ち「無」だと思います。元々半信半疑でしたが、生物学や生化学を勉強してこの結論に至りました。でも今は、そんなこともないんじゃないかって思ってます。この目で見てしまったからには、もしかしたらいるかもしれないと思わざるを得ないなと考えがひっくり返った出来事があったからです。

それは、大学3年の夏休みの時でした。あの時のことは気持ち悪いくらいに覚えています。一生あの感覚は身体から離れることはないでしょう。私には、仲がいい友達が3人いました。苗字の頭文字を取って、A、T、Mとします。当時、私とAとTは一人暮らしで、Mは実家暮らしでした。よく、私の家、Aの家、Tの家で遊んでいましたが、その3年の夏休みの時Mの両親が海外旅行に行くと言うので、Mの家で遊ぶことになったのです。

Mの実家は太く、豪邸と言っても過言ではないほどでした。Mの父親が会社を経営していて、Mの家にはM曰くその経費で買ったランボルギーニが置かれていたのを覚えています。初めは、広いMの家で大学生ながら隠れんぼをしたり、スマブラをしたり無邪気に遊んでいましたが、一旦夕食を食べ、そろそろ飽きが見えてきた頃、Mが新たな暇つぶしを提案してきました。

「なぁ、そろそろ飽きてきたと思うし、今唐突に思いついたんだけど俺の家の倉庫に色々と入ってるんだけど何が入ってるか探したこともないし、4人いるからお宝でもないか探してみようぜ!」

「大丈夫かよ、人様の家の倉庫なんか荒らしたくないよ」
とTが反論するも
「片付けするから親にバレることはないよ。ヘーキヘーキ」
とMの余裕そうな気に負け、Mの提案を受け入れることにしました。

Mの家の倉庫は予想通り大きく、これはお宝でも見つかるんじゃないかという謎の自信が出てくるのも無理はありませんでした。とても雰囲気のある倉庫で、内部の照明が仄暗く、古びた家具や錆び付いた昔の家電製品に光が当たっているのが当時の印象に残りました。最初私たちは遠慮しながら倉庫を漁っていましたが、15分も経つころには遠慮を忘れ大胆にお宝調査に取り組んでいました。

「あ!これは俺が子供の頃に大事にしてたおもちゃだ!超懐かしい!」
とMが目を輝かせて1人ではしゃぐという予想通りの流れから入り、壊れた機械や変なガラクタが見つかっていくというありきたりな展開を見せていましたが、突如Aが何かを見つけたようで、

「あっ…これはお宝の予感」
と言い、全員の目がAに釘付けになりました。Aが持っているものは中型の箱でした。そして、箱には南京錠があり、何か大切なものでも入っているかのような雰囲気を曝け出していました。

「これ、鍵かかってるけど開けられるかな?中身見てみたいと思わない?やけにこれ埃だらけだし何かありそうよ」

「でもどうやって開けるんだよ。鍵がないと開けれないぞ」

「この倉庫にバールとかハンマーとかそう言ったものないの?」
という会話になり、結局全員でこの鍵を強制的に開ける道具を探すことになりました。その結果、錆びたハンマーが倉庫から見つかり、Mが南京錠を思い切りハンマーで叩きました。

「カン、カン、カン」
とハンマーで叩く鈍い音のみが薄暗い倉庫に響いた中、その雰囲気を破ったのがMの愚痴でした。

「なんだこれ!硬っ!」
Mは遅いツッコミを入れ、少し雰囲気が和みました。南京錠はおそらく年月が経っているものなので脆く、すぐ割れると私たちも思っていましたが意外と南京錠が耐えていたので、私たちは面白がってMを応援したり、冗談を飛ばしあっていましたが、しばらくMが格闘した結果、

「パキ、カリーン!」
と南京錠を壊すことに成功しました。Mはとても汗をかいていました。Mの呼吸はまるで何かに取り憑かれてるようにとても荒かったのを今でも覚えています。

「うおおお!!」
私たちが歓声をあげたのもつかの間

「お前ら、心の準備はいいか?」
と、Mが真剣な目をして私たちに問いかけました。南京錠を壊している時は、私たちは冗談を飛ばしあっていましたが、そのような雰囲気はその言葉でかき消され、場がとても重たくなりました。私たちが深く頷くと、Mが箱を開けました。

「ギイイイイイ」
と重苦しい音が響き、箱の中身が姿を現しました。

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コメント(1)
  • 憑依されることで人格が変わるというお話は良く聞きますね
    Mさんはどこに行ってしまったのでしょう。また、Mさんのご両親、ご実家は無事なのか、心配ですね

    2024/02/16/16:52

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