だが残念ながらそれは現実になる。
それはちょうど去年のクリスマスイブの夕刻。
仕事を終えてアパートに帰った俺は愕然とする。
愛子がリビングのソファーに横たわっていた。
その顔は既に完全に生気を失っており、カーペットには空っぽの薬瓶が無造作に転がっていた。
遺書はなかった。
一頻り泣き疲れた俺は愛子の真横のカーペットに横たわり、冷たくなったその手を握ったまま一夜を過ごした。
※※※※※※※※※※
俺はアパートに帰るとリビングに入り奥のソファーに座ると、前にあるガラステーブルの上に包装された箱を置く。
そしてもどかしげに箱を開けた。
頭部、胸部、二本の腕を各々テーブルに並べると説明書を見ながら組み立てていく。
小一時間もしないうちに
「人工知能搭載型フレンド」A.I子は完成した。
明るい茶髪にあどけない顔。
か細い二本の手を、胸の前で上品に重ねている。
説明書にはこのように書かれていた。
A.I子は
あなたの良き友人であり
理解ある恋人であり
そして世界中の歴史や文化に通じた博学の徒です。
また彼女は良き家政婦であり、その二本の手を器用に使ってテキパキ家事もこなします。
俺はA.I子をしばらく満足げに眺めた後、充電コードを電源に差し込むと夕飯の準備を始めた。
夕飯を終えシャワーを浴びた後、再びソファーに座り携帯をいじっていた時だ。
「コンバンワ」
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いいですねぇ
ハラハラ、ドキドキ、とても面白い作品でした。
コメントありがとうございます。
─ねこじろう
トラウマに、なりそう。
ドキドキしながら読みました((゚□゚;))
心が痛む
寝れませんね絶対にw
皆様コメントありがとうございます
─ねこじろう
マジで怖い
今夜寝れないかも