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去年のクリスマスまで俺には3つ年下の彼女がいた。
明るい茶髪をショートにし透き通るような肌をした「愛子」は、少しメンヘラ気質のどこか陰のある女性だった。
それは二年前のある夏の夕刻のこと。
いつものごとく仕事を終えた俺は家路を急いでいた。
どうしようもない喉の渇きを感じ途中コンビニに立ち寄る。
缶コーラを買い店舗脇で立ち飲みしていると横から声がする。
「お兄さん、遊ぼう」
ふと隣に目をやると、ピンクのパーカーを着た愛子がパチパチと瞳を瞬き微かに微笑みながら立っていた。
元来生真面目で不器用な俺は普段だったら無視して立ち去ったところなのだが、その日仕事のミスで上司から叱責されてムシャクシャしていたこともあり、彼女の肩に手を回すと黙って歩き始める。
そしてアパートの部屋に一緒に帰ると、なし崩し的に一夜をともにした。
それから愛子は俺のアパートに住み着くようになる。
彼女は毎日、日がな一日電気も点けず、リビング隣の和室の片隅でじっと体育座りをしていた。
食事やトイレ、風呂、そして寝る時以外は。
そんなスーパーニートな愛子に対して俺は取り立てて文句も言うこともなく、ただ淡々と生活を共にしていた。
というのは愛子は俺にとって初めての女性だったし、孤独な俺は彼女がそばに居てくれるというだけで十分に満足だったから。
ただ一つだけ不満らしきものというと、
愛子が時折口にする
「あ~あ、わたしそろそろ死のうかなあ」という言葉。
その言葉を聞くたび「バカなこというなよ」と彼女を嗜めていた。
それに対しての彼女はいつも、
「大丈夫大丈夫わたしにとって男はお兄さんだけだから、あっちに逝ったとしても、またここに帰ってくるから」と言うと俺の瞳をじっと見つめた後、イタズラっ子のように微笑んだ。
俺は愛子とのそんなやり取りに、どこか不安な気持ちを抱きながらもやり過ごしていた。
いいですねぇ
ハラハラ、ドキドキ、とても面白い作品でした。
コメントありがとうございます。
─ねこじろう
トラウマに、なりそう。
ドキドキしながら読みました((゚□゚;))
心が痛む
寝れませんね絶対にw
皆様コメントありがとうございます
─ねこじろう
マジで怖い
今夜寝れないかも