黒い影2
投稿者:海堂 いなほ (14)
短編
2024/01/28
11:49
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「そして、貴方はすべての感覚を失い、すべての恐怖の中で、死んでいくことになる。すると、多くの人は現世に恨みを持って死んでいくことになる。彼奴は、それを狙っているんです。」
「彼奴?」
「ええ、私が祓うことができなかった霊です。」
私は、宮司の話がおとぎ話のような感覚で聞いていました。それでも、五感を喪う恐怖に、背筋をツーっと撫でられるような悪寒を感じました。
「貴方を襲った残穢の近くに本体も居るはずなので、最初に視覚を失った場所が重要なんです。」
私は、スマホにタイムラインが残っていることを思いだし、スマホを取り出すとその日の地図アプリを起動しました。あの日は、このコースを走っていたはずです。宮司は、そのコースを見ながら、ゆっくりとスクロールをした。
「ありがとうございます。」
宮司は、私にスマホを返すと、お礼を言った。
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まだつづきがありそうな予感
宮司さんに感謝、感謝です。