男性不信になった…？C子

私の友人には男性に対して苦手意識を持っているC子がいる。いつの日か私はC子に、どうしてそんなに男が苦手なの？と聞いたことがあって、C子はおずおずと話してくれた。

まずはC子が小学2年生だった頃。
休み時間、同じクラスメートの男の子が突然C子の前の席に(その時そこの席の主がいなかった)座り、C子に「手を出してみて」と言ってきた。

C子はその男の子が苦手だった。その男の子は何かとC子に対して冷たい態度をとっていたからだとC子は言った。ここで手を出さなかったら何か言われるのかもしれないと思い、C子は仕方なく机の上に手を置いた。
するとクラスメートの男の子はいきなりC子の手を軽くつねってきたのであった。更に男の子はC子に
「痛い？」
と聞いてきた。C子はいきなりの事だったので混乱しながらも、まだそんなに痛くなかったので「痛くない」と答えたらしかった。
すると男の子は更にC子の手をつねってきた。さすがにC子も痛かったので顔が強ばった。男の子はニヤニヤしながらC子に、

「痛い？」
と聞いてきた。C子は痛いと答えた。
男の子はどこか満足そうに、ニヤニヤしながら去っていった。そのことを母親に話したら「その子あんたの事が好きなんじゃない？」と笑っていた。

C子は語った。今だから思うけどあのクラスメートの行動は気持ち悪くて、どこかDVの素質があったような感じがしたと。

まだC子の話は続く。
C子が小学3年生の時、先程話した小学校から別の小学校へ引っ越した。そこでも変なクラスメートの男の子がいたみたいで、その男の子もなにかとC子に嫌みを言ってきたり叩いてきたこともあったという。
ある日C子がその時に友達だった男の子…ここでは名前をBとしておく。そのBと一緒に帰っていたら、突然頭に衝撃を感じた。
かなり痛かったのでC子は泣いてしまった。泣きながら後ろを振り返ると、意地悪してくる男の子が右手に氷柱を持ってC子の頭に刺してきたのだった。

男の子の持っていた氷柱はC子の頭を刺した時に折れたようだったが、あのまま頭に刺さっていたら自分は◯んでいただろうと青い顔をしたC子の顔を今でも忘れられない。

あの後Bは大泣きするC子を連れて急いで帰っていった。その間にもいじめっこが雪を手で弄びながらC子の悪口を言っていたという。BはC子の母親にいじめっこが氷柱で刺してきたと言ってくれたらしくて、すぐC子の両親はいじめっこの両親に文句を言ったらしかった。いじめっこの母親は泣きながら「ごめんなさい！」と何度も言いながらC子家族に頭を下げた。

そんな事件が起こった何日後かに、家でC子の母親はC子に言った。
きっとあの子もC子に気があるかもしれなかったかもね。でもやり過ぎだよ、と。

大人になったC子は、今ならこう思うと一呼吸置いた。
「例えあの意地悪してきたあの子が私に気があったとしても、好きだから何をしてもいいって言うの？好きだと何をしても許されるの？いくら小学生だったとしても行き過ぎていたよ。逆に私の事が嫌いだったとしてもやり過ぎだったよ！」って。

父親の転勤が切っ掛けでC子は引っ越すことになり、その学校からも離れた。
しかし次の転校先でも面倒臭い男の子がいたという。

ある日体育の時間、その日は四つのグループに別れておお縄跳びをしていた。C子もその時の授業風景がどうだったのか、はっきり思い出せなかったようだが、綱を回す人が決まっていて、それ以外の人は行きたいグループの所に自由に行って順番に並んで縄の上を飛ぶような授業だったという。C子は、最初に入っていたグループの回す縄をある程度飛んだあと、別のグループに移動して行った。移動したそこには例の男の子が列の後ろに立っていて、C子はその男の子に「ここに入っていい？」と聞いた。