男性不信になった…？C子

ご丁寧に聞かなくてもいいのになと私は思ったことは内緒である。

その男の子はC子に対して「入っちゃっダメだよ。ふん」と鼻を鳴らしながら前を向いた。C子はあまりにもショックで担任に、男の子に言われたことをそのまま話して注意して貰ったらしかった。その後もその男の子は何かとC子に対して体型のことをからかってきた。しかも笑顔で。C子は嫌で嫌で仕方がなかった。この事をまた母親に話すとC子の母親は「〇〇くんはC子の事が好きなのよ、きっと」と笑っていた。

そしてここで最後にC子は父親に対しても不信感を抱いていたことを私に話した。

C子の父親は、C子が中学に入った頃から、何度も「一緒にお風呂に入ろう！」と言ってきたのだそうだ。C子は言っていた。普通の父親は冗談でも一緒にお風呂に入ろうって何回も言わないと。一見冗談に聞こえるが、どこか冗談に聞こえなかったと。C子が「そんなことを言うのは辞めて！」と言っても、C子の父親は何度も何度も「お風呂に入ろう！」と笑顔で言ってくるのだ。そのやり取りを母親は笑って見守っていた。きっと母親は冗談の一環だと思っていたからだ。

極めつけが父親がお風呂から素っ裸で出てきて「きひひひひ！」と奇妙な笑い声を出しながらC子の前まで来て自分の裸を見せてきたのだ。C子はキレたかったが、キレると父親が逆ギレしてくると思ったので、笑いながら「や、やめてよ～」と言うしかなかったという。
「きひひひひ！」と笑いながら父親は脱衣場に戻っていった。しかも「C子が喜んでいる！」と捨て台詞を残して。C子は目眩を覚えながらC子母に「どうして父さんはあんな事をしたと思う？」と聞いた。するとC子母は笑いながら「分かんない。C子に裸を見せたかったんじゃない？」と言った。

なんでそう笑っていられるの？

私は嫌なのに。嫌なのに。嫌なのに。

C子が高校2年生になった頃、C子の両親は離婚した。なんでも性格の不一致で別れたらしかった。C子は母親についていった。

C子は「あんな男と離れられてよかった。せいせいした」と低い声で話した。

更にC子は言った。
「暴力を振るうのもよくないけど、でもなんで人の体型をからかうような精神的暴力は許されるの？小学生だからって許されるの？しかもしつこくしつこく。それで気を引いているつもりなの？子供だから許されるの？好きだから許されるの？子供ながらに色々してくる男なんて嫌いだけど、好かれているからいいじゃないと流す母親も怖かった。そう。父親が自分にお風呂の誘いや裸を見せているのに、あの母親は笑って見ることしかしなかった。確かに氷柱で刺された時は相手の親に訴えてくれたけれども。
暴力以外は好きだからって何をしても許されるこの世間に対しても不気味に思ってしまった。父親も気持ち悪い。本当に。母親も。だから私は男も女も世間も皆信じられなくなったのよ。分かる？本当におかしい世の中だよ」

そうか。つまり、C子は私も信じていないということか。そうか。

皆様、C子が男女含めて人間不信になった理由はこういう理由だったんです。