窓には
投稿者:haruton (25)
大学生の時、友人たちと占いの館に行ったんですよ。
占いの館と言ってもスナックだったんですけどね。そこのママさんの占いが凄いという噂を聞きつけて私、A、B、Cの四人で行ったんです。
まあ私の結果は恥ずかしいので言いませんが(笑)。その中で覚えているのはBは将来、二人の子供に恵まれるという結果が出たことですかね。(実際Bは子供を二人産みました!)
全員占って貰って、さあ帰ろうかとお店から出た頃にはもう夜の22時前でした。(結構お客様がいらしたので、順番が回ってくるのに時間がかかりました。)
するとBが彼氏さんが車で迎えにくるから、それに乗って帰ろうと提案してきました。皆、Bにありがとうと言って甘えることにしました。
しばらくするとBの彼氏さんが到着して、私達は彼氏さんにお礼を言いながら車に乗りました。Bは助手席に座り、後ろの席では左から数えてC、A、私という順番で座りました。私は窓から夜景を眺めながら皆の会話に耳を傾けていました。
車が止まると、街灯に照らされて窓の汚れがはっきり見えるようになりました。派手な汚れだなと思いながら、その汚れに注目するとそれはなんと多数の小さな手形だったんです!
恐らくですが二歳ぐらいの子供の手の大きさでした。近所の子供がベタベタ触ったのかな。まじまじと手形の跡を見つめているとあることに気づいたんです。
手形が…指跡が下のほうに向いていたんですよ。
つまり上に乗って窓に触らないと指跡が下のほうに付かないことに気づいたんですよね。普通にベタベタ触るのなら指跡は上のほうに付いていなければならない。それが分かった途端、ブワッと鳥肌が立ちました。
皆が談笑している中、私はただひたすら下を向いて無言状態になりました。
隣のAが私にどうしたのと聞いてきましたので、眠くなっちゃったと言って誤魔化しましたよ。私の返答にみんな笑っていました。
あの手形のことは黙っていました。
この話はこれでおしまいです。
あ、Bは何年かしたらその彼氏さんと結婚しましたよ。先ほど書いた通り二人のお子さまに恵まれて幸せそうです。
例の車はどうなったかって?
さあ。分かりません。しばらくBと会っていないので。
考えたら二歳児が車窓の上のほうに届くわけがないですよね。車の上に登りませんよね。車の上から車窓に触るなんて危ないから、そんなことやるはずがないですよね!ははは。
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