【short_16】ゆびきりげんまん

子供のころよくやった、約束の時のおまじない。

約束を破ったり、嘘をついたりすると、罰を与えると言う内容です。

ちなみにげんまんとはゲンコツで１万回殴るという意味。

ゆびきり自体は江戸時代に遊女が男への誠実さの証として自分の小指を切って渡したという言い伝えがあったり、ヤクザが責任を取るために小指を切り落とすという掟があったり、つまり指を切るとは嘘をつかない事や、ついた場合の責任を意味していると思われます。

では、針千本とは?　
これはもちろん縫い針などを1000本飲ませるという言う意味で・・・それほど約束を破るという事は大変なことなんだと、子供心に肝に銘じたものなのです・・・が。

ある時、友達がこんなことを言う。

「針1000本なんて絶対飲めないからさぁ・・・１本にしない?」

「え??・・・」

「嘘ついたら針１本飲ーますって言うの。どう?」

「いや・・・その・・・」

「ホラ、これ」

そう言って彼はポケットからプラスチックのケースを取り出し、
中に入っている長い裁縫用の針を見せてくれました。

「ちょ、ちょっと考えさせてくれる?」ボクはそう言って逃げました。

・・・1000本より１本の方が怖く感じたのは、なんなんでしょうかね・・・。