(着信あり 11:10)
『返事しろー 11:12』
『寝てんの? 11:13』
(着信あり 11:15)
『もしかして、ケータイ忘れてる? 11:18』
§
私は最後に、留守電のメッセージを確認した。
§
『あー、連絡つかないんで、とりあえず、この待ち合わせ場所が見える喫茶店にでも移動して待っときます。
もし寝坊してて、このメッセージに気づいたら電話ください。1時くらいまでは待ってやるから。その代わり、ホテル直行な?
もし、ケータイ忘れてたら――ああ、それじゃこのメッセージも聞けないからダメか。
――ん?
危ねぇな、なんだあの車……。
おい、あれ、うちの車――なんでアイツが……、
うわ! マジか!
ちょっと、やめ――!
(大音響)
§
§
ガンガンガン!
不意に背後で、玄関のドアを激しく叩く音がした。
驚いて、ケータイを床に落としてしまう。
静寂。
しかし、ドアの向こうに誰かの気配が残っていた。
いる。
何か、恐ろしいものがいる。
確かめたくないが、確かめずにはいられない。
私は、足音がしないように、ソロソロと玄関に向かい、おそるおそるドアスコープを覗いた。
魚眼レンズで歪んだ視界の中、女が立っていた。
ソバージュの髪を顔の前に垂らして、黙ってたたずんでいる。
地味な色の服は、腹の辺りが染みで黒く汚れていた。
この話は怖かったですか?
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このオマージュを理解できる人はオッサンだと思う(笑)
はい、自分もですよ
2006年くらいにアニメ見てた人には懐かしい名前
((( ;゚Д゚)))なるほど