(ピンポーン)
玄関チャイムが鳴る。
目の前の女が鳴らしたのだ。
インターホンに向かって話すには大き過ぎる声で、女が言う。
その声が、ドア越しに聞こえてくる。
「ねぇ~?
いるんでしょ~?
涼宮の妻です~。
貴女がうちの人と会ってたの、知ってるんですよ~、興信所で調べたから。
アンタのせいで、うち、今まで大変だったんですよ~。
うちの双子、まだ小さいのに、あの人、ふだんは『仕事だ』『付き合いだ』とか言って夜遅いし、休みの日は『接待ゴルフだ』とか言って出掛けて行くし。
その間、私はずーっとひとりで子供の面倒見てるの。わかります? ひとりになれる時間なんてないの。朝から夜まで、ずーっと。
トイレだって、ドア開けたまましてるんですよ? 私の姿が見えなくなると、子供泣くから。
で、あの人、何やってるかと思ったら、アンタと遊んでわけでしょ、実際は。
ふざけんなって思うでしょ? 私は、自由になる時間なんて、なかったっていうのに。
だから、もう、いいかなって。
あんなヤツ、もう、いいかなって。
今、生きてるか死んでるかわかんないけど、あの時のアイツの顔見たら、アハッ、ちょっとだけスッとしたし。
だから、ねぇ、出てきてくださいよ~。
あとはアンタだけなのぉ。
早く帰って、買い物行って、子供にご飯作らなきゃいけないんで、
早く終わらせたいんで、
トットトデテコイヨ!!!!!!!!!!!!」
『警察……』
そう思ったけれど、私の手には今、ケータイは握られていなかった。
〈了〉

























このオマージュを理解できる人はオッサンだと思う(笑)
はい、自分もですよ
2006年くらいにアニメ見てた人には懐かしい名前
((( ;゚Д゚)))なるほど